ビーズの世界とチェコのまだ見ぬ珠玉のビーズを求めて
ビーズは非常に長い間、我々とともにありました。
自然の大きな脅威は我々の古代の先祖を怖がらせていたため、最初のビーズはそのような制御不能な脅威から自分たちを保護するお守りとして身につけていたものと考えられています。初期に製造されたビーズは単純にすぐに利用できる材料を使って作られました。例えば、骨、歯、象牙、石、種、木などがその主な素材です。
時が流れ、四大文明(メソポタミア、エジプト、インダス、そして黄河)が繁栄する時代とともにビーズは格段に広がりを見せました。流通経路の確立に伴い、地中海の珊瑚は小アジアに、アフガニスタンのラピスはシュメールへ、ミケーネのギリシア人たちはバルト海の琥珀と青銅を交換していたのです。
紀元前21世紀のエジプトでは国王の墓にも使われていたビーズ。
古代のクレタ島では、金銀の細線細工と打ち出し細工の高い技術を用いてビーズを粒状化。古代の中国人たちは非常に固い翡翠の石に優美で複雑な彫刻を施すという、それぞれの地域で特異な技術を高めていきました。ビーズは宝石同様、貴重であるとともに、時代によっては通貨としても使われていました。
やがて金属とガラスの発見により技術的な発展は創造力を開花へと導きました。この時代、石を挽いて穴を開けるという見事な技術はドリルを開発することに結びつき、現代に通じる技術進歩はビーズの更なる発展をもたらしたと言われています。
中世の時代にはヨーロッパ人の間で宗教的な目的のため多くのビーズが作られました。それはロザリオ以外の宝石を身につけることが禁じられていたため、ビーズへの関心や興味が高まり、急成長を遂げたものと考えられています。
ヴェネチアで伝統的に作られていたガラス製品はその精巧な製造技術の高さから生み出される物が多く、やがてその技術はビーズ生産へと注がれるようになりました。その後、次第にこれらの技術は、オランダ、ボヘミア(現在のチェコ共和国)へと伝えられていくのです。
とりわけ、ボヘミアでのガラス製造の発展は著しいものでした。15世紀に起こったフス戦争によって地域が荒廃し、経済構造を改善するためにドイツからの職人や商人が招請され、いわゆる、ガラス製造王朝が築かれました。その発展の中でガラスとともに宝飾産業が急成長し、18世紀からは海外市場へ向けてのビーズ、ボタン、宝石、アクセサリー、特に、ゴージャスなコスチューム・ジュエリー、輝きが美しいボヘミアン・ダイヤモンドなどが製造されていきました。
1829年には年間24億個ものビーズを輸出するまでに成長。この間、カット技術はより一層磨かれて、技術の高さから、やがて、ボヘミアを離れ市場を拡大しようという企業も出てきました。この時期に登場したのが、ダニエル・スワロフスキーがオーストリア・チロルに設立したスワロフスキー社です。優れたカット技術を持つ父の影響を受けたスワロフスキーのこだわりのあるガラスカット方法はデザインによりすばらしい煌きを与え、当初から世界中のファンを魅了し、グローバルに展開し続けています。
現在まで続く成功の秘密は元来伝統を重んじながらも革新的な技術開発を遂げてきたチェコにおけるガラスの精巧なカット技術の高さからもたらされたものに他なりません。
ボヘミアが生み出したガラスのアイテムが時代とともに進化しながら煌きを増し、その小さな素材が人々を魅了する魅力的な商品となって我々の手元に届けられています。
ミルベーゼはこの原点となる、チェコ(ボヘミア)の美しいビーズたちに着目しました。
それは
たった一言の言葉から始まったのです。
「世界中にファンを持つスワロフスキー(R)* の原点はチェコのガラスビーズが始まり」
チェコのガラスビーズが始まり
この言葉が心に響きました。
チェコにおけるビーズの生産はポーランド国境沿いの地域に集中しています。
この地域に点在するガラス工房は数百年の伝統を受け継ぐハンドメイドの確かな技術で培われた熟練のカット技術やこれまで門外不出とされていた製造方法を静かに守っています。今でこそ工房の見学は許されるものの、それ以前はそれぞれの工房で独自の製造方法(レシピ)によりビーズの制作が行われ、その生産工程は非公開だったといわれています。こうした環境は職人たちの技術を高め、オリジナリティ溢れるビーズ作りが盛んになったとも考えられています。
そのような中に、まだ出会ったことのない、まだ見ぬ美しい珠玉のビーズが存在するのではないかと、宝探しをしている気持ちになっています。
現地の工房を訪ね歩き、出会った一つひとつの存在がビジューのようなビーズたち。
そのビーズにミルベーゼ・オリジナルのデザインをまとわせ、チェコの職人による手仕事としてのこだわりを優美に輝く作品に込めて、上質なオシャレを楽しむ大人の女性たちへヨーロッパからのステキな贈りものとしてご提案していきたいと考えております。
一粒のビーズが長い時代を経て進化し洗練されながら珠玉のビジューへと変わっていく
そんな逸品をあなたへ贈ります。
* スワロフスキーはスワロフスキー・アクチエンゲゼルシヤフト社の登録商標です。
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